Web制作やマーケティングに携わる立場にいると、「検索結果の上位に表示させること(SEO)」は、至上命題ともいえる指針です。しかしアイビーデザインの代表は、長年にわたって、その真逆の行為に心血を注いできた人間でもあります。自分の本名を、Googleの検索結果から徹底的に排除すること――つまり「インデックスさせない技術」の探求です。
「なぜそんなことを?」とよく聞かれます。答えは二つあります。ひとつは、プライバシーという個人の聖域を守るための防衛策。もうひとつは、検索エンジンという巨大な知能をコントロールする「出し入れの技術」を研ぎ澄ますためです。光を強く当てる方法を知るには、影をどうつくるかを知らなければならない。本記事では、20年以上のキャリアの中で実践してきた、戦略的な「検索除外」の記録を紐解いてみたいと思います。
私の名前が検索に出ないのは、偶然ではない
私の本名は仕方なく会社概要に画像で記載していますが、検索結果にはほぼ何も出てきません。これは私が何も活動していないからではなく、むしろその逆で、デジタル上のあらゆる「足跡」をミリ単位で制御してきた結果です。
具体的な手法はシンプルですが、徹底しています。SNSのアカウント名に本名は一切使わない。どうしても実名での掲載が必要な媒体(登壇記録や公的な文書など)では、テキストではなく 「画像」として掲載するよう依頼する。それが叶わなければ、掲載そのものを辞退する。Googleのクローラーが「文字」として認識できる余地を、徹底的に潰していく――この発想です。
最大の伏兵は「母のブログ」だった
しかし、どれほど完璧な城壁を築いても、予期せぬ場所から綻びは生まれます。私にとって最大の危機は、身内である「母親のブログ」でした。娘の活躍を喜んだ母が、良かれと思って記事の中に私の本名を記してしまったのです。
デジタル技術で固めた防御も、アナログな人間関係という経路までは遮断できません。Googleは即座にそのページを見つけ出し、私の名前をデータベースに刻もうとしました。このときに痛感したのは、SEOというものが持つ、残酷なまでの「紐付け能力」です。
ニックネームという名の「戦略的ブランド」
一方で、本名を隠すからこそ、ビジネスやSNSでの認知を広げるための「ハンドルネーム(ニックネーム)」が強力な武器になります。ここで重要になるのが、ニックネームの選定基準です。
- 埋もれない(ユニークさ):検索したときに競合がいない、独自の響きを持っていること。
- 打ちやすさ(利便性):特異すぎず、ユーザーが入力しやすいバランスを保つこと。
- 一貫性:認知を上げたいときは、全プラットフォームでIDを統一すること。
「出す技術」においては、このIDの一貫性が、ドメインパワーのような役割を果たします。あえて出さない領域(本名)と、戦略的に露出させる領域(ニックネーム)を分けることで、情報の純度を極限まで高めることができるのです。
「出さない技術」が「出す技術」を研ぎ澄ます
Googleを拒絶しようと試行錯誤する過程で、皮肉にも私は「どうすればGoogleに好かれるか」を、誰よりも深く理解することになりました。クローラーがどのタイミングで情報を拾い、どのSNSのシグナルを重視し、アルゴリズムの変化がどう検索結果に波及するか――自分自身を実験台にした「逆SEO」の研究は、そのまま最先端のSEO対策へと昇華されていきました。
たとえば、ブログを更新するだけでは、今のSEOはそう簡単には動きません。各種SNSのアルゴリズムを理解し、それらを複雑に絡み合わせることで、はじめて狙ったワードを上位に押し上げることができる。この「反応の感度」は、情報を遮断しようとする極限の微調整の中でしか得られない感覚です。
結論 — SEOの本質は「情報の支配」にある
アイビーデザインが提供するWeb制作において、この知見は大きな強みになっています。名前を出したくないスタッフを守りつつ、認知度を上げたい代表者の指名検索を最大化する。あるいは、AIで作られた「制御不能になりやすいサイト」の設計を組み直し、正しいインデックスへと導く――いずれも、「出す」と「出さない」を自在に行き来できる感覚があってこそ成立する仕事です。
SEOとは、単に順位を上げることではありません。自分が届けたい情報を、届けたい相手に、意図した形で届けるための「支配技術」です。出すべきを出し、隠すべきを隠す。 この自在なコントロールこそが、これからのAI時代に求められるWeb戦略の本質だと、私は確信しています。
ご相談・お問い合わせ
「指名検索を強くしたい」「逆に、ある情報をインデックスから外したい」「AIで作られたサイトの設計を組み直して、正しい形で検索に届けたい」――そうしたSEOまわりの“出し入れ”に関するご相談を、アイビーデザイン合同会社(I BE DESIGN LLC.)では承っています。
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